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吸気関係
のページです。
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2007/03/17 |
このページでは主に吸気系に関する考察をしてみたいと思います。
2004/11/14 ノーマルキャブレターを考える
2006/12/24 ノーマルキャブレターセッティング(冬偏)
2007/03/17 PWK28を使う為のもの・・・
ノーマルキャブレターを考える |
2004/11/13 |
キャブレターは混合気をつくりだすための装置です。ガソリンと空気を混
ぜ合わせて燃えるガスをつくります。
キャブレターには大きくわけて、CV と VM があります。
CVタイプは混合気量がバタフライバルブ(*1)の開閉により変化する負圧
に応じて自動化されています。
アクセルを全開にしても吸入量に応じた負圧が発生しなければ燃料の噴
出を制御するニードル付ピストンは開かないためラフなアクセル操作をし
てもエンストしにくい・・です。しかしその分レスポンスがよくない・・・かもし
れません。
市販の4サイクル車は小排気量車をのぞくとほぼCVタイプです。2サイク
ル車は負圧が小さいためCVタイプのキャブレターを使用すると適切な混
合気が供給できません。
VMタイプはアクセルとスロットルバルブが連動しています。アクセルを開
ければ即混合気量が増えることになります。機構が簡易でレスポンスが
よいために小排気量車と2サイクル車ではほぼVMタイプです。
※1 バタフライバルブ・・ベンチュリー径と同径の円板を回転させること
により吸気量を調節するもの
さて、サービスマニュアルをみるとキャビーナ90(HF05)のキャブレター
は16mm相当と書いてあります。キャブレターのベンチュリー部を見てみ
ると
オーバル形で、開口部の横幅は14mm弱、ピストン部は上図のとおりです。
高さは19mm程度あります。形状から想像できることは、アクセル開度に
対して混合気量がフラットに供給されるので乗りやすくなるのかもしれま
せん。
真円の場合は上図の通りで、アクセル開度に対する開口面積がリニアで
はありません。
HF05エンジンのキャブレターの径が「小さいか?」と言われますと何とも
答えられません。ミクニのHPにある理想径の算出方程式によると、
定数 0.82 x √ (排気量(リットル単位)
x 最大出力回転数)
からキャビーナの諸元にあわせまして、
0.82 x √ 0.09 x 6750 ≒ 20.21
となりましたので実は小さいのかもしれませんね。
実際にミクニのVM20キャブレターに変更して感じることはノーマルキャブ
のほうが動作が緩慢な気がします(レスポンスが悪い)。
ノーマルキャブレターセッティング(冬偏) |
2006/12/24 |
2年ほど使用していたVM20キャブですが、直流にオートバイスタータ(オー
トチョーク)を接続実験してみたかったのでノーマルキャブに変更してみました。
オートバイスタータ自体の冷間時抵抗が4Ω程度で、5Ω程度の抵抗と直列
に接続されいますので 12V ÷ 9Ω = 1.22 Aで 消費電力は
15W程度に
なります。
実際に動作させると元の交流ラインに接続されていた時と変わらず機能して
いるようです。
ノーマルキャブは取り付け前に
MJ |
#102 |
SJ |
#40 |
A/S |
1+1/8戻し |
ジェットニードル |
3段目(中間) |
というセッティングにしておきました。ノーマルとちがうのは
SJの番手が上が
っていることです。
ノーマルキャブにもどしたら始動性抜群になりました。全体的にトルク感が
薄く、ふけ上がりが悪いようです。
走行し始めはまぁ普通に走るのですが、ある程度時間が経過して駆動系が
熱ダレしてくると低回転でクラッチミートで非力になる・・・というのは今までと
同じなのですが回転数にして3000から4000位の間が極端に非力になって
ストールしてしまいます。
その位置から無理にアクセルを開けると「モー」とうなるだけで全く回転があ
がりません。症状としては冬場にエンジンをかけた直後に走行しようとする
時の状態に似ていますので、「ガスが薄い」のですが上記セッティングでガ
スが薄いというのがちょっと意外でした。エンジンはポート拡大していますが
90CCで、エアクリーナーはノーマルです。
高回転多用後の方がストールする状況が悪化するので、ひょっとして
高回転多用→ガソリン噴出が多い→気化熱でインテークマニホールドの温
度が極端に低下→回転が落ちた時にガソリンの気化状況悪化
ということを考え、実験を行うことにしました。
インテークマニホールドの温度変化を調べて、仮説が正しいかの検証です。
計測位置はエアシュラウドのキャブレター暖気用のスリットからエンジン熱
での温風がかかる場所です。
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インテークマニホールドにテスターの熱伝体をビニールテープでくっつけてみました。 |
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こんなふうにテスターを設置して温度を調べます。 |
計測日の気温は
13℃程度でした。しばらく走行して温度変化をまとめて
みました。
状況 |
温度 |
コメント |
アイドリング時 |
25℃ |
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通常走行時 |
22℃ |
4,500〜5,500回転の間 |
低速走行時 |
18℃ |
4,000回転未満 |
エンジンストップ |
35℃ |
エンジンの熱が伝導しています。 |
だいたい上記のとおりでした。興味深かったのが、6,000回転付近からアクセ
ルを戻した時に急速に温度が低下したことです。
この場合、再加速時に温度が低下することで気化が悪化し、ガスが薄い状態
となるので非力になっていると思われます。(ガソリンの沸点は30℃〜)
・・・と、実験はしましたが上記原因だったとしても具体的な対策はできないの
ですが。
そこでスタンダードなキャブセッティングを試みます。
アクセル開度 |
調整対象 |
方法 |
0(アイドリング) |
エアスクリュー
アイドルスクリュー |
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1/8〜1/2 |
エアスクリュー |
締める(濃)、緩める(薄) |
1/4〜3/4 |
ジェットニードル |
Eリングの位置を 下(濃)
、上(薄) |
1/2〜1/1 |
メインジェット |
番手 大(濃)、 小(薄) |
本当は、低回転域でスロージェット交換、中回転域でカッタウェイ交換などが
含まれるのですがどちらも社外品で販売されているわけではないので省略し
てあります。
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左図の青矢印がエアスクリュー、赤矢印がアイドルスクリューです。通常はサービスマニュアルでエアスクリューの戻し回転数は決められているので変更は無いと思います。 |
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左図の青矢印を反時計回転させるとスロットルバルブがはずせます。右図は分解後で赤矢印がジェットニードルです。 |
今回は低回転域が不調なのでエアスクリューが対象になりますがとりあえず
ジェットニードルのEリング位置を一番下にして走行したところ、低回転時の
ストールは無くなりました。しかし吹け上がりがわるくなったので今度はEリン
グの位置を中間にもどし、エアスクリューを全閉にしてみました。やはりスト
ールしないのですがアイドリング下がり、不安定になりました。
結局何回か試行錯誤の結果、
MJ |
#102 |
SJ |
#40 |
A/S |
3/4 戻し |
ジェットニードル |
4段目(下から2段目) |
というところでそこそこ走るようになりました。しかし起動時にガソリン臭いの
でもう少し薄くしたいところです。
なぜこのように濃い目のセッティングになったかというと、実は以前エアクリ
ーナーケースの内側の吸入路を撤去してしまった為に低回転での空気流速
が下がってしまい、気化状況が悪化しているためだと思います。
※一般に2サイクルエンジンの燃調セッティングは
下は濃く、上は薄く・・・するとトルクがあり、高回転まで回る・・・ようです。
しかし安全マージンと燃費向上から
下は薄く、上は濃く・・・なっているのでは
ないかと思います。
PWK28を使う為のもの・・・ |
2004/11/13 |
20φ程度のキャブレターですと90CCにはちょうど良い計算でしたが、スポーツ
マフラーやボアアップ等で高回転型になっている場合にはもう少しキャブレター
口径を大きくしたいと思うかもしれません。
実は吸気ポート(クランクケースの(※シリンダーの方ではありません))を見た
ことがある方はわかると思いますが実測でキャブレター口径面積に換算すると
22φ相当しかありません。多少削って広げても表題の28φ相当にはできませ
んので(耐久性と1次圧縮を考えなければできるかも)PWK28は大きすぎると
思います。
それでも使おうとする方の問題点の1つの解決方法の提供です。
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ただの滑車です。PWK28のスロットルワイヤーガイドと交換して上に装着します。 |
28φのキャブレターをそのまま装着するとアクセルワイヤーとオイルポンプ
ワイヤーの比率が合わないので困ります。そこで滑車を使って20:28の動作
に変更します。その為の部品です。
実は50mmの真鍮丸棒を旋盤で加工し、ワイヤーを引っ掛ける為の突起を
接合してありますが、真鍮は「重い」ので、このまま動作させると重みで壊れて
しまいそうです。後日アルミで作り直します。
だいたい28φクラスのキャブレターをつける方は混合仕様なのでいらないか
もしれませんね。
私は所有するPWK28コピー品は未装着のままです。