エンジン関係 のページです。 2005/03/05

2004/10/02 台湾製(?)50φシリンダー
2005/01/09 クランクシャフト交換
2005/02/27 台湾製50φシリンダ準備
2005/03/05 台湾製50φシリンダ装着とインプレ


台湾製(?)50φシリンダー 2004/10/2

台湾製のボアアップキットを入手しました。オークションでもっとも安価だったもの
ですので、別の50φ97CCボアアップキットと内容が異なっていると思います。

こちらはノーマルのGW3用(リード・キャビーナ・ジョーカー)シリンダーです。
パッケージは英語と、中国語らしい説明があります。
内容物は、シリンダー、ピストン、リング、ヘッドガスケット、ベースガスケット、ピストンピン、ピストンクリップです。説明書らしきものはありませんでした。
ピストンスカートが、インテーク側の幅が小さくなっています。効果はフリクションロスの低下が考えられますが、問題点として一次圧縮の低下があります。
排気ポートは、ノーマル90CCシリンダーより小さく、低回転仕様となります。
掃気ポートのジェットポートの位置が下になってしまっています。ノーマルシリンダーをボーリングすると、角度のせいで下にさがってしまいます。
刻印はありません。海のむこうはもともと100CC仕様なのかもしれません。つくりが雑な感じがします。


スリーブの厚みがほとんどないので、このシリンダーをボーリングしてさらに
ボアアップするのは難しいと思います。値段を考えますと消耗品という扱い
でよいと思います。

 ポート修正してリード90のメンテナンス用にしようかと思っています。

クランクシャフト交換 2005/01/09

水冷化100CC高圧縮の為、かなり痛んでいたクランクベアリングを交換するに
あたり、買い置きストックのクランクシャフトも交換することにしました。ついでに
ノーマル90CCに変更します。腰下、腰上総交換です。


時間があるときにやっておこうと連休を利用し、とりあえずフロアマットをはずし
サスペンションをはずし、セルモータをはずし、電装系コネクタをはずし、
ガソリンチューブ、オイルチューブをはずし、タイヤのナットをはずしてから
エンジンをおろします。
その後 シリンダ、キャブレター、インテークマニホールド、タイヤをはずます。
エンジンをおろしてからクランクを割るとやりやすいと思います。図ではフライホイールをはずしているところです。

フライホイールをはずして、中にあるステーターをはずします。
とても汚れています。長期使用しているとこんなものでしょうか。事前に洗車しておかないとあとで組み上げるときにとても大変です。

オイルポンプをはずし、パーツクリーナー等できれにしたあとOリングは新品
に交換します。Oリングにはシリコングリスを塗っておきます。あとは2サイクル
オイルをギヤ部と中身にまんべんなく充填します。

レフトカバーをはずし、駆動系をはずしたあと、2爪ギヤプーラーでセルギヤ
をはずします。ファイナル部は今回対象外なのでそのままにしておきます。

あとは右側に6本のボルトがあるのではずしたあと、クランクセパレータで
クランクケースを左右に分離します。この時よほどのことがないかぎりクランク
ケースにベアリングがのこると思います。

クランクシャフトを回すと目で見てわかるほど偏真しています。こんなに振っていてももともとベアリングの遊びが大きいので問題なく走れてしまいます。HF05エンジンのベアリングは精度低いです。

クランクシャフトもベアリングも交換するのであれば特殊工具がなくてもクラ
ンクケースの真ん中下側からプラハンマーでたたけば左右に分離できます。
クランクシャフトを叩けばベアリングから抜くこともできます。

ケースにのこったベアリングを取り出す方法ですが危険ですけどケースを
コンロで熱をくわえれば容易に取れます。ただし熱でゆがんでしまうかも
しれません。
私はパイロットベアリングプーラーとスライドハンマーを使用してベアリング
をはずしました。

あとはケースを洗浄して新品部品に交換していきます。
オイルストーンで面だししておきます。といっても引っかかるような突起がなければ大丈夫です。

クランクベアリングは前回はモリブデングリスにして耐久性がいまいちだった
ので今回はウレアグリスを塗りたくってみました。ZOILグリスは滴点の問題
でこの用途に向いているのかどうか判断ができないため今回はやめました。

プレスがあればすぐなのでしょうが、ケースにベアリングを圧入して(ベアリング
と同じサイズの鉄の塊でハンマーで叩きます。ただし下敷きに木や発砲スチロ
ールを使用する)クランクインストーラでクランクシャフトを引き込みます。
片方だけひきこんで、のこりは液体ガスケットを合わせ面に塗ってからしばらく
してから引き込みます。ノックピンがあるのでケースの合わせはずれたりしない
はずなのですが一応クランクを回しながら、シリンダーの座面があっているか
確認しつつプラハンマーでコツコツ叩きながらカンで芯をだします。

トルクレンチで規定のトルクでしめつけてはずしたのと逆の手順で組んでいきます



・・・・ なんだかんだで丸一日かかってしまいました。


台湾製50φシリンダ準備 2005/02/27

低回転化に向けて以前購入したシリンダーを装着すべく準備をします。
放置しておいたので多少シリンダ面にさびが出てしまいました。
左図は排気ポート、右図は180度回転した状態です。

まず、低回転化するにはシリンダ座面を削り、ポート位置そのものを下に下げ
る・・・のですが旋盤加工するのに特別な冶具を作成しなければならないので
今回は見送ります。今回は多少のポート拡大加工をして様子をみることにしま
した。

上図左は排気ポートです。なだらかな山形でノーマル90シリンダより低回転
向けとなっています。ポート高さもノーマルより1mmほど小さいです。形状は
そのままとし、下部横方向を1.5mmほど拡大します。

上図右は掃気ポートです。正面に穴が開いていないように見えるのはジェット
ポートの位置が低いためです。ノーマルでは側面のポートと同じ高さなので
この部分は側面と同じ位の位置になるよう上方向に拡大します。

マジックで書き込みです。

拡大予定位置を定規で合わせながらマジックで書き込みします。

ハンドルーターを使用して削っていきます。この手のルーターはピンキリまでいろいろあるのですが高い物は剛性がそこそこあるので金属研削もそれほど大変ではありません。

上図のような刃物を装着してマジックで塗った部分を削っていきます。

削った後です。およそ予定位置で、もとの形状にあまり変更がありません。現在のノーマルシリンダーはほぼロの字に広げてあります。

削った後は面取りします。特に拡大加工した場合、ピストンリングが上下した
とき排気ポートで広がろうとしますので抵抗が大きくなります。面取りいかんで
耐久性が大きく変わります。

図のような研磨砥石で面取りすると早くて楽ですよ。

およそピストンリングが広がって引っかかりそうな部分は面取りしていきます。

最終加工後です。

もともとこのシリンダーは面取りあとが結構きれいでした。キタコのキットは
ポートのバリがかなりあり、サイドポートはかなり雑でした。

シリンダはとりあえずこの程度にします。低回転向けのフィーリングが悪い場
合、排気ポートの上辺を削り、更に幅を限界まで広げてマッハ仕様にします。

次にピストンの準備をします。

ピストンのリングの溝を三角のオイルストーンで面取りします。

上図でピストンに2箇所マーキングしてあります。排気ポートに面する部分は
直接に排気の熱にさらされますのでそれ以外の場所より高温になります。
熱膨張したときの固着を防ぐ意味で面取りしていきます。

ピストンリングを装着していきます。

面をとったらリングをはめて見ます。上図左に3つのリングがありますが一番
左はセカンドリングのためのスペーサーですセカンドリングの内側に装着します。
このキットではトップリングとセカンドリングは同じものでした。慣れないとリング
を割ってしまったりするのですがオイルをぬってから上図右のように装着して
いきます。

残りの作業です。

排気側から向かって右側のピストンピンクリップを先に装着しておきます。
実作業ではマフラー側からシリンダーを取り付けますので、その反対側になる
部分は先にふさいでおきます。

また、このキットにはエキゾーストスタッドボルトが付属
していませんので既存のシリンダーからはずして、こちらのシリンダーに装着しま
す。

ここまでで下準備は完了です。電装系の実験があるため、続きは次回へ・・


台湾製50φシリンダ装着とインプレ 2005/03/05

さて、前回準備しておいたシリンダを装着することにします。
まず、エアシュラウドをはずすところまでやっておきます。
左図に見える4本のボルトを緩めます。急に1本だけはずしたりするとゆがみが生じますので1本ずつ対角に15〜30度程度緩めていきます。
ある程度緩めたら手ではずします。これでシリンダヘッドがはずせます。

シリンダーヘッドをはずします。はずしたらピストントップの点検をしましょう。
この状態でシリンダをはずすことができます。軽くはずせれば良いのですが固着してる場合が多いいのでプラスチックハンマー等で軽くコツコツ叩けばはずせます。(おもいきりやると壊れます)

シリンダヘッドをはずすとこんな感じです。新品から500Km程度ですがカーボ
ン付着が多いようです。
定番ですがシリンダをはずしたらクランクケースの中に異物の混入を避けるため、きれいなウエス等をつめておきます。

シリンダーはずしたら次はピストンをはずします。

ピストンピンクリップをはずすのに、マイナスドライバーとラジオペンチがあると便利です。

ピストンをはずすのにピストンピンを抜きます。ピストンピンの抜け止めとして
ピストンピンクリップが存在しますので、細いマイナスドライバーで浮かせて
ラジオペンチではずします。
クリップをはずしたら、握ると開くようなプライヤをつかって、ピストンピンの中
からピストンピンを押さえて引き抜きます。ここでピストンがはずせます。
※耐久性が劣化していますのでこのクリップを再使用するのはやめたほうが
よいと思います。

取り外しが完了しました。あとではずしたピストンのカーボンを落としておきます。

とりはずしたら50φシリンダを逆の手順で装着していきます。

コネクティングロッドスモールベアリングは再使用します。結構荷重がかかりますのでできれば新品にしたいところです。

ここで問題が発生しました。なんと、ピストンとピストンピンのクリアランスが
小さく、ピストンピンがかたくて入りません。
・・・やはり質はいまいちです。こういう場合はピストン側のピストンピンが通る
穴を円柱状のオイルストーンで研磨します。純正ではすんなり通るのですが。

あとは特別に難しいところはありませんが、ピストンにシリンダをかぶせるとき、
ピストンリングを割らないように位置を合わせて指でリングを押さえながらかぶ
せます。
また、シリンダヘッドのスタッドボルトをしめ込むときにトルクレンチがあると便
利です。(デジカメ電池が切れたので写真がありません)
左図上は装着していたノーマルシリンダ改です。下が50φシリンダです。排気ポートの違いがわかると思います。
幅は50φシリンダの方が広いのですがノーマル改の方が排気タイミングが早く、高回転型としてあります。50φシリンダは特に低回転仕様とします。

さて、とりはずしたノーマルシリンダ・ピストンですが・・・

ピストントップを鏡面加工しようと思ったのですが巣が多いのでやめました。

セカンドリングをはずしたらスペーサーリングが割れていました。以前も割れて
いたので強度がたりないのではないかと思います。セカンドリングで覆われて
いるので割れても外にでませんが、テンションを保てなくなるので困ります。
スペーサーリングのみでは購入できないのでピストンリング買いなおしです。

以前かなり高回転まで回した時、すごくオイルの焼ける臭いがきつかったので
多少焼けたかと思ったのですが特別問題になるような傷、抱きつき跡等はあ
りませんでした。

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さて、装着後走り出してみて・・・思うのですが・・・たいして変わりません。
当然 8CC ほどアップしたところで劇的に変わるわけがありません。
いままで 3000〜4000回転付近で 非力だった部分がまともになった・・・
という感じです。
言い方をかえると、それほど回さなくてもトルクを感じるようになった・・。
でしょうか。

現在WRは13gにしています。慣らし運転しなければならないのですが、
低速型なのでそんなにつらくなさそうです。

どうも最近2000回転付近でノッキングが多いので燃調をかえる必要も
ありそうです。

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2005/03/12 追記

1週間でとりやめました。
あらためてノーマルシリンダに戻して感じることは、低回転時のトルクにかなり差
があります。
低回転化目標のとおりで非常に乗りやすくなりましたが、WRを重くするとレスポン
スが緩慢になります。また、今まで6000回転過ぎでパワーが立ち上がる部分が
5500回転位になりました。そこまでまわすと勢いがついて回転がすぐに下がらなく
なります。 6000回転で苦しそうです。


 

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